観劇「豊饒の海」

みました。初日舞台で満員だったなー!しかも4列目だったのですごい近くて良かった。ミシマオタク*1なのですごい楽しみにしていました。さらには東出氏主演と聞いて!わたしは彼の顔の造形がめちゃくちゃ好きで、それが清顕をするなんて最高すぎる。私の人生訓の出典は春の雪の一節ですが、そんなことは対面でわたしの口から聞いてくれ。ともかく好きな作品を好きな役者が演るって最高じゃなくって?*2

本筋だとか、演劇の良し悪しについては私なんかよりたくさん観劇している人がきちんとした評論を書いていると思うので以下は単なる感想です。わたしは年に1本くらいしか観ないので…そしてミシマの解釈もあんまり不特定の人と議論分析する気がないので…。

  • シャツフェチ的に清顕と本多のスタンドカラーシャツのディテールを変えている(高さとかサスペンダーとか)のが最高
  • やはり東出氏はモデルだ、立ち姿が美しい。清顕として正しい。
  • 青年本多の大鶴佐助さんすごく良い。親友としての本多の演技もだし途中からどうしようもない、手を出せない共犯の第三者の顔が良かった。チャーメツファンになったよ…また演技が観たい!
  • 転生した面々の顔が異常に良い。(異常)
  • ミシマあるあるだけど美しいものが傲慢であることは大変脳にいい。体現していた。
  • 安永透(上杉さん、めちゃくちゃ顔が良い)の女給をつれてくるシーンの背伸びして演じたサイコパス感がよかった。コンプがあって狙いから外れてきた感じがうまくてよい。スノッブって感じ。あんなん目指しちゃう東大生いるでしょたぶん
  • 観劇直前に開成と学習院の学ランの少年をコンビニで見かけたのもあって比較になったんだけど短めの学習院の学ランはさいこ〜てなった(ボタンなしの方が好き)(最高か?)
  • 場面転換多いのは作品上致し方ない、滝がすごいな〜。軍服の死者とか、名前のない人々の動き、あれが一番よく、清顕を囲む現代ダンスじみた演出はすごい好きだった。動きが綺麗。
  • 私は春の雪のグズグズベタベタした感じが好きなので夏の海のシーンだけでどうにかなったかのようなのは尺の上で仕方ないけどちょっと残念。
  • 東出氏、あなそれでも思ったけど狂気っぽい演技とても素敵
  • 宮沢氷魚さんの勲、めちゃくちゃによかった。ただ今の時代でちょうどミシマの晩年の作品をやるのは思想的にちょっと怖いなという感想もなくはない。でもめちゃくちゃ似合う。美しい一振りの刀そのままだった。
  • シャムの殿下達のエピソード、あれが暗い影を落とし始めるところで(あとジンジャンの話にもなるので)すごく好きなのでなくし物エピソードないのは悲しい。でも海のシーン、すでにエメラルドがなかったように見えたが?気のせいか?箸休め的に殿下達のシーンが差し込まれるのはよかった。なくし物がないのは良心か。
  • ご挨拶で周回観劇のお願いっぽいことを図らずも言う東出氏かわいい
  • 青年本多(大鶴さん)中年本多(首藤さん)、壮年本多(笈田さん)が対面し合うシーンの良さよ。演劇で一番生きる演出だった。あれが一番よかった。
  • 首藤さん(名前からして絶対勤務地の出身だと思って調べたらまさにそうだった)の動きのキレと伸びやかさと美しさよ!ジンジャンとの夢想のシーンの美しさ、あれは本当に生で見て良いものだった。バレエ以外をもっと観たい!
  • 笈田さんが三島のサロメに出てたって話今回調べて知ったけどすごい納得感がある
  • パンフレットみて納得したこと:衣装協力Yohji Yamamoto (やっぱり)(ヨウジヤマモト着こなす男性大好きなんだが??????助けてくれ?!?!!!!)
  • 20歳までに美しく死にたかったわね、と言うのがミシマオタクとしても感想(私の創作の人格はちょうど20になってすぐ死んだので、ある意味正しかったのかもしれない)

はーたのしかった。演劇体験、とてもよく、また楽しくものを見たいなと感じました。気の置けない人と感想戦をしたい。

*1:高校の卒論はミシマだった、作品数も多い、文章のカロリーも高い彼の前作を読んでかつ古典も読まないといけなくてつらかった。細かくはまた今度書こう

*2:さらにはこのインフォメーションをくれたのが恋人と親友なので、私の理解者たる2人には感謝してもしきれない。ありがとね。